小さい財布 小さいふ クアトロガッツ

OUR STANCE

平和を願うだけでなく、
選ぶ会社でありたい。

クアトロガッツが楽天市場から撤退する理由

SUMMARY

大阪の革小物ブランド「小さいふ。クアトロガッツ」を運営する株式会社ガッツは、楽天グループが攻撃型ドローンの導入支援や国産化を進めると報じられたことを受け、平和を大切にするブランドとして、自分たちの理念との違いを感じ、楽天市場から撤退することを決定しました。

「平和」と書かれた壁の前で、ピースマークの小さいふ。コンチャを両手で差し出す人。「PEACE IS THE WAY 平和への道はない。平和こそが道なのだ。」の文字

このたびクアトロガッツは、楽天市場から撤退することを決めました。

この判断によって、売り上げは減ります。

それでも私たちは、撤退することを選びました。

理由はとてもシンプルです。

平和という価値観を守るために、
売り上げを減らす
経営判断をしました。

01
OUR MAKING

ものづくりを通して
平和について考える

クアトロガッツは、大阪で革小物をつくっている小さな会社です。

財布や革小物をつくることで、直接世界を平和にできるなんて思っていません。

でも、ものづくりを通して、平和について考える小さなきっかけをつくることはできる。

そう考えて、これまで「NO NUKES」や「PEACE IS THE WAY」など、平和や核兵器のない世界への願いを込めた商品をつくってきました。

「PEACE IS THE WAY」。

平和への道がどこかにあるのではなく、平和そのものが道である。
日々の小さな選択や行動の積み重ねが、平和につながっていく。

私たちはそんな考え方を大切にしてきました。

PEACE
IS THE
WAY

PEACE シリーズ

← 横にスワイプできます

左右の矢印、またはドラッグで見られます

02
THE QUESTION

そんな中で、自分たち自身に問いが返ってきました。

楽天グループが、防衛分野への関与を進めていることを知りました。

迎撃ドローンなどを開発する海外企業の日本展開を支援し、防衛省への納入を支援していくという報道です。

そのニュースを見たとき、私たちは楽天を批判する前に、自分たち自身について考えました。

平和を願う商品をつくりながら、その一方で、防衛事業に関与する企業グループのプラットフォームで商品を販売し、手数料を払い続けることを、自分たちはどう考えるのか。

簡単には答えが出ませんでした。

防衛力によって国や人々の暮らしを守ることが、平和につながるという考え方もあります。

世界で実際に戦争が起きている現実を考えれば、その考え方を簡単に否定できるものでもないと思っています。

楽天には楽天の考え方があり、楽天の経営判断があります。

その考え方を否定したり、楽天を利用する人や楽天市場に出店する企業を批判したりするつもりもありません。

だから今回、

「楽天は正しいのか、間違っているのか」

を決めたいわけではありません。
私たちが考えたのは、

「クアトロガッツは、どうありたいのか」

ということでした。

03
THE REASON WE JOINED

コロナ禍で、私たちは楽天市場に出店しました。

実はクアトロガッツは、長い間楽天市場には出店していませんでした。

しかし、コロナ禍によって世の中が大きく変わり、私たちの商売も大きな影響を受けました。

会社を守る。
一緒に働いているスタッフの仕事を守る。
ものづくりを続ける。

作業台の上で一枚の茶色い栃木レザーを両手で広げる職人

そのためには、新しい販路が必要でした。

「背に腹は代えられない」。

そんな思いで楽天市場への出店を決めました。

そして実際に、楽天市場を通してたくさんのお客様と出会うことができました。

購入してくださった皆様には、本当に感謝しています。

あの時、楽天市場へ出店したことも、私たちにとって必要な経営判断だったと思っています。

だから、過去の判断を否定するつもりはありません。

でも、状況は変わります。
社会も変わります。
企業も変わります。

そして私たち自身も、その時々で改めて考え、選び直していく必要があると思っています。

04
WORDS AND ACTS

言っていることと、やっていることを一緒にしたい。

今回、私たちが一番考えたのはここでした。

「PEACE IS THE WAY」と書かれた商品を販売する。
「NO NUKES」と発信する。
世界の平和に少しでも貢献したいと言う。

青い海を背景に、両手で持った「NO NUKES」の小さいふ2点

その一方で、自分たちの経営判断では、

「売上があるから」

「便利だから」

「みんな使っているから」

という理由だけで選択を続ける。

それでいいのだろうか。

もちろん会社には、売上が必要です。
利益も必要です。
スタッフの生活を守らなければなりません。

経営者として、それを軽く考えることはできません。

だからこそ悩みました。

でも最終的に、

理念というのは、
都合のいい時だけ掲げるものではない。

と思いました。

利益と理念がぶつかった時に、どちらを選ぶのか。

そこに、その会社が本当に大切にしているものが表れるのかもしれません。

だから私たちは、

言っていることと、
やっていることを一緒にしよう。

そう考えました。

そして、楽天市場から撤退することを決めました。

05
A COMPANY HAS VALUES

これは、楽天だけの話ではないと思っています。

今回考えているうちに、もっと大きな問いに行き着きました。

企業は、利益だけを考えれば
いいのでしょうか。

社会で起きていることについて、企業やブランドが意見を持つことはいけないのでしょうか。

政治や戦争、環境、人権、差別、貧困。

意見が分かれる問題について企業が発言すると、

「企業が政治的なことを言うな」

「商売に思想を持ち込むな」

と言われることがあります。

「BRING ALL THE TROOPS HOME NOW」の横断幕を掲げて街を行進する学生たちの白黒写真

1971年、サンディエゴ大学の学生による反戦行進。同大学の1971年卒業アルバムより(撮影者不明/パブリックドメイン)

確かに、何も言わない方が安全なのかもしれません。

誰からも嫌われないようにすることは、商売として合理的なのかもしれません。

でも私たちは、

一人の人間に価値観があるように、
会社にも価値観があっていい。

と思っています。

そして会社が理念を掲げるのであれば、その理念は広告や商品のコピーだけではなく、日々の経営判断にも表れていくべきだと思っています。

私たちは大企業ではありません。
世界を動かすような力もありません。

大阪で財布をつくっている、小さな会社です。

それでも、

小さな会社にも、
社会に対して意思があっていい。

そう思っています。

06
NO PERFECT ANSWER

私たちの判断が「正解」だとは思っていません。

今回の判断には、きっと賛否があると思います。

「迎撃ドローンは人を攻撃するためではなく、人を守るためのものだ」

「防衛力がなければ平和は守れない」

「楽天市場から撤退することと世界平和に何の関係があるのか」

「だったらAmazonやGoogleはどうなんだ」

そういう意見もあると思います。

その問いは、どれも簡単には答えられないものだと思います。

私たち自身も、世界のあらゆる企業やサービスについて完全に矛盾なく生きることができるとは思っていません。

だから、私たちと違う選択をする人を批判するつもりはありません。

私たちの判断に賛成してほしいわけでもありません。

これは誰かに押しつけるための答えではなく、

今のクアトロガッツが、
自分たちで考えて出した答えです。

そして未来に新しい事実を知ったり、社会が変化したりすれば、また考えることもあるでしょう。

色とりどりの折り鶴に囲まれた、折り鶴柄の小さいふ。コンチャ

大切なのは、最初から完璧な答えを持っていることではなく、

考えることをやめないこと。

そして、自分たちの価値観と行動が大きく離れていないか、問い続けることだと思っています。

07
PEACE IS THE WAY

PEACE IS THE WAY.

今回、楽天市場から撤退すること自体が平和をつくるとは思っていません。

本当に小さな選択です。

でも平和というものも、結局は一人ひとりの小さな選択の積み重ねなのではないかと思っています。

誰かを尊重すること。
違う意見を持つ人とも話すこと。
暴力ではなく対話を選ぶこと。
困っている人に手を差し伸べること。

そして、自分が大切だと思う価値観に沿って行動すること。

青空の下、芝生と紅葉した木々に囲まれて立つ、広島の原爆ドーム

広島の原爆ドーム。Wikimedia Commons より(撮影 Balon Greyjoy/CC0)

だから私たちは今回、一つの選択をしました。

平和という価値観を守るために、
売り上げを減らす
経営判断をしました。

これが正解なのかは分かりません。

でも、自分たちが掲げてきた言葉に対して、少しだけ誠実な会社になれる気がしています。

そして、この文章を読んでくださった皆さんにも、一つだけ問いを投げかけたいと思います。

あなたは、
どんな社会で
生きたいですか?

その答えは、一人ひとり違っていい。

違うからこそ、話せばいい。
考えればいい。

私たちも、これから考え続けます。

ものづくりを通して。
そして会社としての選択を通して。

PEACE IS THE WAY.

平和こそが、道なのだ。

株式会社ガッツ
小さいふ。クアトロガッツ
中辻大也