ピエト・モンドリアン
Piet Mondrian。1872年オランダに生まれる。前衛運動「デ・ステイル」の創立メンバー。新造形主義を提唱。近代芸術作品に留まらず、タイポグラフィー、建築、工業デザインなど幅広い分野に大きな影響を与える。
抽象画の巨匠 ピエト・モンドリアン
カンディンスキーと並ぶ抽象の父。
晩年まで新しい絵画表現を追い求める。
変わることのない普遍性をテーマにした。
アトリエでは蓄音機でジャズを流しダンスに熱中した。
抽象画×小さいふ。ワシリー・カンディンスキー、ヒルマ・アフ・クリントの作品はこちら
今も色褪せない作品
モンドリアンというと赤、黄、青の三原色に垂直線と水平線と描かれた作品「コンポジションシリーズ」が思い浮かぶ。力強くインパクトのある作品は今見ても現代的なフォームを持っていることに驚く。
カンディンスキーと違ってより形を重視したモンドリアン。抽象画によってモンドリアンは何を表現しようとしたのだろうか。誰もが知るその作品フォームに辿り着くまでには様々な試作が重ねられている。
新しい表現を追い求める
モンドリアンはオランダで画家を志し、その時代に多くの風景画を残している。作品に変化が見られるのは作品が徐々に売れはじめた頃、訪れた母の死がきっかけだった。
その後、キュビスムを追求するためピカソらのいるパリへと移り住み、新しい表現を模索する。彼には目に映る絵画も建物も古臭いものに見えた。モンドリアンの関心は常に新しいものにあり、それは晩年まで変わることはなかった。
作品「コンポジション10」では水平、垂直の線のみによって海のさざ波が表現されている。最小限で単純に視覚化しようとする試みが始まっている。
「色彩の様に形にも普遍の真実が存在する。それを発見することである。」
目に見える世界の向こうに
モンドリアンの抽象画のスタイルの背景には当時ブームとなっていた神秘主義思想「神智学」の影響がある。
それは、目に見える現実の世界は無秩序で、儚(はなか)く虚(うつろ)い、とどまることを知らない、しかしその深奥には普遍的で変わることのない「調和(秩序)とバランス(均衡)」があるというものだった。
太陽系の自転公転のリズム、雪の結晶が繰り返す幾何学模様、宇宙や生命には一定の法則が働いているに違いない。時代は二度の世界大戦に突入する混沌とした世界だった。
「芸術とは意識的、個別的なものを排除し 世界と自己を結ぶ普遍的なものを抽出する行為である。」
変わらないものを求めて
1914年にオランダへ戻り、そこで出会ったテオ・ファン・ドースブルフと共に「新しい造形」を意味する「新造形主義」を提唱し、作品製作をはじめる。
赤、黄、青の三原色、垂直線と水平線で究極に抽象化された構図。それによって秩序と均衡ある構成を生み「生命力の根源」が表現される。数々の代表的なモンドリアンの作品はこうして生まれた。
ピカソなどの偉大な芸術家と同じく、自分のスタイルを変化させながら新たな表現に到達したモンドリアン。作品が古臭さを感じさせないのは、そこに彼の目指した時代が変化しても変わらない普遍性が表現されているからだろう。
「美の感動は、いつも対象の特有な外見によって妨げられる。だから、あらゆる具象表現から対象を抽象化する必要があるのだ。」
ヴィクトリー・ブギウギを踊る
今回の小さいふのデザインとなっている作品「Victory boogie woogie」(1942-1944年)はモンドリアンの未完で残された遺作。描かれたのはニューヨークだった。
1940年ファシズムの台頭によりモンドリアンはパリを離れてロンドンへと向かう。戦争に翻弄された人生でもあった。
戦禍を逃れてひと安心と思ったところ、ドイツ軍の爆弾が自宅の庭に落ちたことで移住を決意。ニューヨーク行きの船に乗りマンハッタンに移り住み、残りの人生をそこで過ごすことになる。
彼はアメリカのジャズが好きで、アトリエでは蓄音機でジャズを流しダンスに熱中した。証言では「彼はいつも新しいステップを考案するので、一緒に踊るのは大変だ。(画家 リー・クラスナー)」とある。
「ヴィクトリー・ブギウギ」は陽気なリズムとカラフルな色彩を持ち、作品のタイトルのビクトリーには第二次世界大戦の終結の予感が現れている。
ミニマルな暮らしにフィット
※ここから下は商品説明用の共通のイメージとなります。お届けする商品の色と異なりますのでご理解くださいませ。
お札とカード、名刺とコインがたくさん入るコンパクトなお財布は、ジャケットのポケットやカバンの中でも邪魔にならないので、これからのミニマルな持たない暮らしにもフィットします。
手のひらサイズながらお札は約10〜20枚・コインは約20〜30枚・カード:約6〜9枚。必要なものは全て入ります。
SPEC
サイズ:横10cm×縦8cm
厚み:2cm
重さ:50g
What is Quatrogats?
クアトロガッツは「旅、アート、遊び」をコンセプトに「小さいふ」をはじめ、アイデアと遊び心を大切にしたモノづくりをしています。様々なアート、カルチャーとコラボを行う小さい財布、ミニ財布のリーディングブランドです。
大阪にある工房"秘密基地"で企画/デザイン/製作まですべてハンドメイドで行なっています。本物の革とJAPAN MADEにこだわり、オーダーメイド手製靴の技術を持った革職人が中心となって製作しています。
素材の革はすべてが私たちが"食べる"ことで生じた副産物のリサイクルです。中でも環境に配慮した植物成分で鞣されたフルベジタブルタンニンレザーをメインに使用しています。自然素材である革と向き合いながら、自然と人は本来一体であるという「自然との共生」を目指しています。