テアトル虹第4回「シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち」


(C)LES IMPRODUCTIBLES,KALY PRODUCTIONS et CHARADES PRODUCTIONS

シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち

【STAFF】監督・脚本:セドリック・ル・ギャロ、マキシム・ゴヴァール
【CAST】ニコラ・ゴブ、アルバン・ルノワール、ミカエル・アビブル、デイヴィット・バイオット、ロマン・ランクリー、ローランド・メノウ、ジェフリー・クエット、ロマン・ブロー、フェリックス・マルティネス

■公開日7月9日(金)より、全国公開
シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち公式サイト

ゲイの弱小水球チームが、ゲイに偏見を持つコーチの元、ゲイゲームスを目指すスポ根!?ムービー。今回も新作。

7月9日(金)から公開されている「シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち」
元オリンピック・銀メダリストの水泳選手マチアスはインタビューで同性愛者へひどい言葉を投げかけ、その処罰としてゲイのアマチュア水球チームのコーチをすることになったものの、その「シャイニー・シュリンプス」は超弱小チーム。
彼は三ヶ月後に開催される世界最大のLGBTQ +五輪である「ゲイゲームス」に出場させるミッションを課せられるが・・・。

監督自身が入部したチームの実話をベースに映画化。
タイ映画で僕が字幕監修協力をさせていただいた「アタック・ナンバー・ハーフ」という作品も、サトリー・レック(鉄の女たち)という実際にあるバレーボールチームの実話を元にしたものや、スウェーデンの男子シンクロチームが世界選手権で成功を収めるまでの実話をベースに描いた「シンクロ・ダンディーズ」というものがあったり・・・
こういうのは、正直、メンバーが個性豊かであるので、話も盛り上がりやすい。

今作も8人のメンバーは勝ち負けにこだわらない、とにかく楽しければいいっていう個性豊かなゲイたちが揃っている。が、それぞれは大なり小なりの闇を抱えている。

病気を隠していたり、家族に捨てられてたり、失恋を引きずっていたり、同性婚をしているものの家庭に居場所がなかったり、小さな村でゲイだとバレて都会に出てきたり、老いと容姿、孤独に悩んでいたり、お転婆過ぎて性病に何度もなっていたり、性別適合手術をして以来、周囲から好奇の目で見られていたり・・・
だからこそありのままでいられるシャイニー・シュリンプスでは、闇を忘れて楽しいことに没頭できている。

それらをマチアスの目を通しながら描かれていく。
最初は再び水泳選手としての活躍の場を求めるためだけにコーチをイヤイヤ引き受けた彼も、次第に偏見のフィルターが取り払われ心を開いていく。
そして彼をコーチとして迎え入れることに反対していたメンバーとも次第に距離を縮めていく。

ゲイゲームスには昔、友人がサッカーで日本代表として出たのだけど、今回行った時のことを聞くと、世界中のゲイたちがスポーツを通して交流をし、心の底から解放できたそう。
それに映画の中でも繰り広げられていた“ド”パーティーもあったそうで、そちらの交流も盛んだったみたい・・・

このコロナ禍では東京オリパラも完全なるものはできないけれど(そもそも開催すること自体が心配なのだが)、ゲイゲームスもあにはからんや。
一応、来年の2022年にアジアで初の香港での開催が予定されているけれど、無事にコロナが収束してアップデートしたカタチで行われればいいなと思っている。
今作では、ボニー・タイラーが歌う80年代を代表する洋楽の一曲「Holding Out For A Hero」(日本では麻倉未稀の「ヒーロー」としておなじみ)が効果的に使われているのも注目。

仲谷暢之
大阪生まれ。吉本興業から発行していた「マンスリーよしもと」の編集・ライティングを経て、ライター、編集者、イベント作家として関西を中心に活動

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