

ウチの仕事は注染(ちゅうせん)や、柄を売ってるんとちゃう。



ある時、京都の手ぬぐい屋さんから紅葉の柄を染めてくれ、と依頼を受けたのです。「赤く染まった紅葉の中に、まだ染まっていない葉っぱを表現したい。だから全体をオレンジ色に染めて、中に1点グリーンの色を落としてほしい」と。
注染では、ふつう糊で“土手”をつくり、染めたい色が混ざらないようにするのですが「色が混じっても構わない」と言うんです。私たち職人から見たら、色がにじんで混ざることは、きれいじゃないんですよ。結局、しぶる職人に「ええから」と言って染めてもらいました。
で、実際にお店で反応を聞いてみると「すごく売れている。お客さんはみんなグリーンのぼかしの部分が効いてる、と言って買ってくれるんです」と言われたんです。


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