クアトロガッツの革の旅
秀吉の甲冑を造った
姫路レザー千年の歴史
"LEATHER TRIP IN HIMEJI LEATHER"

姫路城下の名産
兵庫県姫路、播州地域といえばユネスコ世界遺産に登録されている日本で一番美しい城とも呼ばれる姫路城が有名ですが、実は1000年以上も続く革づくりの歴史があることはあまり知られていません。
日本の近代に続く革の起源もここから始まっており、現在も国内の革の半数がここで作られている日本一の革造りの本場なのです。



豊臣秀吉の甲冑の革
現在の白鷺に例えられる美しい姫路城を作った城主池田輝政をはじめ黒田官兵衛や豊臣秀吉など幾人かの歴代城主がいますが、その中でも豊臣秀吉が城主となり明智光秀を倒し天下統一を成し遂げたことから姫路城は出世城とも呼ばれています。

その豊臣秀吉の甲冑にも姫路地方の革が使われました。
「播磨の革工能く熟皮(なめしがわ)を物しその品争いて当時の武士に求められる」 という文献も残っており、姫路の革は非常に強く甲冑や鎧、武具、馬具などに用いられました。



明治時代のレザーショップ
幕末から明治初期に活躍した三代歌川広重が明治10年に諸国の産業・特産物を描いた「大日本物産図会 播州姫路革店之図」には旅土産を買う人で賑わう当時の革屋さんのようすが描かれています。

見た目がよい上に軽くて丈夫な姫路の革製品は、旅人のみやげ物として最適な製品であったらしく、店頭で買い求めている風景がよく描かれています。
旅行に便利な今のクアトロガッツの小さいふを彷彿させます(笑)



《解説》
革製品は、姫路城下の名産のひとつである。江戸時代中期に塩と菜種油で揉み上げ、天日に晒して作る「白なめし」の技術を完成させてからは、姫路の革製品は特別の地位を築いていった。
革は金銀に彩色され、草木花果鳥虫などが美しく写された。革細工の財布、煙草入れ、硯箱、文庫など多様な容器が製造・販売されていた。

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播州地方の革づくりの発展と地の利
この地域で革づくりが発展した要因は何だったのでしょうか?

その答えは播州の豊かな自然にありました。
文明の発展と同じく、革づくりには沢山の水を必要とするため河川の周辺に発展します。
何世紀も前から革産業が盛んな革の本場であるイタリアののトスカーナ州の革づくりも、ピサとフィレンツェのアルノ川流域ではじまり現在も1000近くのタンナー(革鞣し工場)と革工房が立ち並びます。
同じように播州地方の革づくりも市川や揖保川といった河川の綺麗な水に支えらながら発展してきたのです。



平安から続く播州の革づくり
播州地方特有の地の利も発展の要因とされており、瀬戸内海の温暖で雨の少ない気候が革を干すのに最適で、西日本では牛が多く飼われていました。
また原皮の保存のための塩の入手が容易であり大阪、京都という経済の中心地と近かったという地の利に恵まれていました。岡山寄りの赤穂は塩の産地として有名です。

その革づくりの起源を遡ると1000年前の平安時代の文献にも記述が残されているように、長い年月をかけてこの地域の人々が革づくりの歴史と文化を伝え受け継いできたのです。



今も残る革の文化
現在も山陽自動車道を西に走り、姫路を過ぎてたつの市に入れば、河川沿いに革を乾燥させるための大きなスペースがある建物やタンナーがあるのが見えます。

姫路の白鞣し革、豊岡のカバン団地、神戸の革靴など、革にまつわる文化は今もこの地域に色濃く残り、今も強く堅牢な姫路の革は剣道具、機械のベルト、家具、ライダースーツ、グローブなどの防護用具、硬式野球ボールをはじめ暮らしの中で役立てられています。



姫路レザーの特徴
例えば栃木レザーといえば、張りのあるフルベジタブルタンニン鞣しのヌメ革という特徴がありますが、姫路は沢山のタンナーが存在しており、タンニン鞣し、クロム鞣し、合成タンニン鞣しなど、用途に合わせた多様な革を作ることができ、様々な用途に対応する多様性があります。タンローと呼ばれるタンニンなめしの革でカービング彫刻や染色のクラフト画材として適した革も有名です。

HIMEJI LEATHER VS TOCHIGI LEATHER
今回クアトロガッツでは「HIMEJI LEATHER VS TOCHIGI LEATHER」という企画を開催します。(2020.05.23)



どちらも高品質な革をつくっているのですが、今回はそれぞれの革で「小さいふ。コンチャ」をつくって同時に発売するというマニアックな企画が「栃木レザー vs 姫路レザー 小さいふ。Leater exhibition」です。

日本一のヌメ革と称される栃木レザーと、1000年の歴史を持ち、豊臣秀吉の甲冑にも使われた堅牢な播州姫路レザー。
あなたやあなたの大切な人に合った革はどちらでしょう、ぜひお楽しみください。



プルアップとは
オイルレザーよりオイルが多い革をプルアップレザーと呼び、革を折り曲げたり、裏から押し上げると、革の油分が移動して表面の色が薄く変わる現象を革屋さんではプルアップと呼び、オイルが多分に含まれている革の証とされています。





今回選んだ姫路のプルアップレザーは厚みのある革に定評のあるタンナーでショルダーや持ち手のハードな部位に使うように堅牢で厚く仕上げられた革です。
堅牢でありながらしっかりとオイルを含ませることで生まれる革本来の透明感があります。
使っていくと表面の油膜が落ちた後にゆっくりとアンティーク調に味が出て馴染んできます。



クアトロガッツは大阪にあり、姫路までは車で一時間位の距離にありますが、大阪の革屋さんを入り口にして姫路のタンナーさんに革をオーダーしています。
革に関わる人には身近ですが、意外に知られていない播州 姫路の革の歴史を今回は旅してみました。
皆さんの身近でも姫路の革は使われているかもしれません。

播州、姫路、赤穂の歴史を是非一度旅してみてください。
グルメでは赤穂の天然大海老と黒毛和牛のバター焼きのお店「カモメ屋」のAセットがオススメ。お昼には行列になるので昼前に行きましょう。
それではみなさん良い旅を!



栃木レザーができるまで
"LEATHER TRIP IN TOCHIGI LEATHER"