クアトロガッツ中辻
こんにちは。「こりゃ絶品!革のグルメな蝶ネクタイや~」1月で第7弾となりました。
彦摩呂さんといえば食レポで日本各地を回って美味しいお魚を沢山食べられていると思います。今回はそんな魚の皮「フィッシュレザー」で蝶ネクタイを作ってみました。
彦摩呂
食レポの中で自分の代名詞となった「宝石箱や〜」というフレーズが誕生したきっかけは、北海道の魚市場の食堂のロケで出てきた海鮮どんぶりを見て「うわぁ、海の宝石箱や〜!」と言ったのが始まりなんです。
ロケでもお魚をいただくことが多くお魚とは縁があります。この蝶ネクタイは何のお魚の皮でできてるんですか?
クアトロガッツ中辻
この魚はティラピアという魚で、元はアフリカに生息する淡水魚ですが、食用として世界各地で養殖されるようになり、チカダイ(ちか鯛)、イズミダイ(いずみ鯛)という名前で日本でもスーパーや回転寿司で見ることができます。味もあっさりとしていてムニエルにもオススメということです。
クアトロガッツでも10年以上前からティラピアの革を扱っていましたが、環境問題への関心から魚の皮がサステナブルな素材として注目されてきています。
クアトロガッツ中辻
あまり知られていませんがクアトロガッツがメインで使用している牛革はすべてが私たちが食べることで生まれる副産物のリサイクルです。それと同じく魚の皮も食用として消費された副産物として、本来では捨てられるはずの皮をリサイクルして鞣すことで「皮」から丈夫な「革」へと生まれ変わります。
小物の素材としては十分な頑丈さがあり、気になるのが臭いですが鞣されているので生臭い匂いもありません。
彦摩呂
ほんまや!魚というより革の匂いがする。ちゃんとハリがあってしっかりしてる。ウロコの柄はデザインとしても面白いですね。
クアトロガッツ中辻
北海道のアイヌ民族も丈夫な鮭の皮をなめして衣服やチェプケリという鮭皮靴を作って履いていたことが知られています。ユクケリ(鹿皮靴)、トッカリケリ(アザラシ皮靴)など冬を越すために様々な皮が使われました。
サステナブルという言葉を私たちもよく使うようになりましたが、人類は元々は食用後の毛皮や皮を衣類にして、骨角器といって骨や牙を矢尻、縫い糸、釣り針などに工夫をして使うことで過酷な自然の中を生きてきた歴史があります。
氷河で発見された5000年前のミイラ「アイスマン」は保温性が高く長持ちする革の衣服を着ていました。またネアンデルタール人は革のテントを作ることで氷河期のツンドラの中でも暮らすことができたといいます。イヌイットはアザラシやカリブーの毛皮の防寒着を骨で作った針と筋で作った糸で縫って仕立てました。
現在でも革といえば牛革が一番多いのですが、変わった革ではエイの革、ウナギの革で作られた財布やカバンも人気だといいます。
子供の頃に海外の出張が多かったうちの父が、お土産で買ってきてくれたうなぎの革のお財布をボロボロになるまで使ったのを思い出します。
彦摩呂
自分も毎日生活していると、しょっちゅう「もったいない」という言葉を使いますが、そういう気持ちが湧くのも自然なことかも知れないですね。他にも魚の革はあるんですか?
クアトロガッツ中辻
最近イタリアでは侵略的な外来種として生態系への大きな影響が懸念されるミノカサゴの皮を使ったレザーで作られたスニーカーや、日本一の皮の産地の姫路では琵琶湖のブラックバスや近大マグロの皮で小物を作る試みがされています。
これらは肉体労働である漁師の方のセコンドキャリアや、シーズンでない間での仕事を得ることも考えた取り組みになっています。
大量生産、大量消費の時代から、持続可能性とバランスを考えて自然環境に向き合う時代になり、以前よりもモノを大切に使うこと、環境負荷を減らしてゴミを出さないこと、廃棄されるモノを再利用する方法が模索されています。
こういったことが食用後に廃棄される皮が注目されている背景になっています。革という素材を使ってモノづくりする私たちもこうした問題と向き合いながら、革を通じて自然と人は一体であること「自然との共生」を感じてもらえればと思っています。
彦摩呂
おしゃれで環境にも優しいなんて素晴らしいですね。今回のワンポイント食レポ講座いってみましょう!
日本人は、鯛が大好きです。
一年を通して食べられるんですが、春はさくら鯛、秋はもみじ鯛、それぞれ季節に応じて味わいも違います。
そして、何と言っても一月お正月はめで鯛!
縁起が良い鯛です〜!
『まさに!めで鯛!付けたい!蝶ネク鯛!』
今年も素晴らしい年にし鯛〜〜〜!
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