『ジャングル大帝』は、『鉄腕アトム』と並ぶ手塚治虫の代表作。大阪の出版社中心だった執筆から、東京の雑誌へと活動の軸を移す転機となった、初の本格的な長編連載作品でもあります。

物語の舞台はアフリカのジャングル。王である白いライオンのパンジャはハンターに殺され、捕えられた妻は動物園へ送られる途中の船中で王子を産みます。レオと名づけ、「アフリカへ帰り、父のあとをついで王になりなさい」と言いきかせて船から逃がします。
あらしで船は沈み、妻は死に、レオが流れついたのはアラビア半島の港町。そこでケン一という少年にひろわれて育ち、1年後、月光石を調べる調査団と共にアフリカへ渡り、ジャングルの王者として成長していきます。
本作は、パンジャ、レオ、ルネと三代にわたる白いライオンの物語。 命は受け継がれ、失われ、そしてまた次へとつながっていく——。
過酷な自然の中で生きる者たちの営みが、世代を越えて描かれています。 その想いは、手塚治虫自身の言葉にも表れています。
「この物語は、パンジャ、レオ、ルネ三代の白いライオンを主人公にした、一種の人生ドラマで、私が描こうとしたのは、大自然と生きものとの、絶えることのない闘争と征服と挫折の歴史でした。(中略)滅びても消え去っても、なおも新しい生命が自然に向かっていどむ力に敬意を表したかったのです。(後略)」
(日本コロムビア刊『交響詩ジャングル大帝』「ジャングル大帝」についてより抜粋)
「ムーン山へ登って、悲劇が始まる前後の絵に、藤子さんの代筆があります。ふきとばされるテントや、わめいているヒゲオヤジなんかが、藤子さんの絵です。(中略)「ジャングル大帝」の最終回に藤子さんの筆がはいっていることは、じつになんとも感慨無量で、記念すべき出来事なのです。お二人には感謝のほかありません。
(講談社手塚治虫漫画全集3 『ジャングル大帝』第3巻 あとがきより抜粋)




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