手塚マンガ、日本の伝統工芸と現代デザインが出会うブランド「HIRUME」とコラボ 2021.07.02

このところ、海外の高級ファッションブランドと日本のマンガとのコラボレーションが目立つ。ヨーロッパでは比較的早くからマンガがアートだと認められていたようで、この組み合わせ自体は意外というわけではないのだろう。しかし、12世紀の頃の「鳥獣戯画」や江戸時代の「北斎漫画」など長い歴史をもつ日本のマンガは、その高い洗練度ではヨーロッパをはるかにしのいでいた。
絵画でいえば、日本の浮世絵の表現が印象派に連なる19世紀のヨーロッパの画家たちに大きな衝撃を与えたのと同じようなもので、日本のマンガは現代性にも富んでいた。ファッションの世界ではそれが21世紀になって起きた、と言ってもよいのではないだろうか。

コラボアイテムの中でまず目につくのは、再生して羽ばたく火の鳥の姿を繊細な手刺繍(てししゅう)で暗い色の背中地に縫い込んだ、華麗なスカジャン。

金糸をぜいたくに使った金沢の伝統刺繍「加賀繍」で、技術力の高い職人が長い時間をかけてしか表現できないクオリティーの高さが感じ取れる。リバーシブルで着られる裏地には、伝統織物「金欄(きんらん)」が使われている。

『火の鳥』江戸切り子のグラスは、東京・錦糸町の「廣田硝子(ガラス)」とのコラボ企画。珍しいゴールドイエローの切り子で、火の鳥の羽ばたきの躍動感がある。また『火の鳥』をイメージした香水や、「小さいふ」と名づけられた牛革で手のひらサイズの財布には『鉄腕アトム』のモチーフも使われている。

記事の中ではクアトロガッツ の小さいふもご紹介いただきました。

「生きるとは何か?」「生命とは何か?」を問いながら、生命の輪廻を人間に説いていく火の鳥の物語。
作品を楽しんだあとにモチーフの商品を身につけて気分をあげるのもいいですね。

火の鳥×クアトロガッツ コラボモデル

「特別インタビュー 手塚るみ子さんと読む『火の鳥』」はこちら