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手塚治虫


ブッダ

名作ブッダとのコラボ
手塚治虫の代表作のひとつ「ブッダ」。
1972年から12年の歳月をかけて描いた仏教の始祖であるゴータマ・シッダルタ(ブッダ)の一生を、手塚治虫オリジナルのキャラクターとオリジナルのエピソードを多いに盛り込んで仕上げた超大作。
国外でも高く評価され、2004年・2005年にはアメリカにてアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞しています。
手塚治虫

描かれているのは、一人の人間としてのブッダ
読まれたことある方が多いと思いますが、まだ読まれていない方はぜひ読んでみてください。
「仏教の難しい話?」「説教臭い宗教漫画なんじゃないの」と気が向かない方もご安心を。

手塚治虫オリジナルエピソードをまじえつつ仏教の成り立ちをなぞって物語が進むのですが、最も深く描かれているのは王族として生まれ、何不自由ない暮らしが約束された身でありながら「人はなぜ生まれ、老い、病に倒れ、そして死ぬのか」「なぜ同じ人間なのに奴隷や王族などの身分があるのか」という疑問について考え、様々な人に出会い苦しみながら成長をする人間シッダルタの姿です。

ぼくは、釈迦、つまりシッダルタをめぐる人間ドラマを描こうとしているんです。
シッダルタのありがたさとか、シッダルタの教えよりも
人間そのものを掘り下げたい。
仏陀の生きざまを、ぼくなりの主観を入れて描きたいのです。

インタビュー「手塚治虫『ブッダ』を語る」より

真理を追い求める姿
王族として妃を迎え、子宝にも恵まれたシッダルタですが悩みは忘れるどころかより深く心を掴み、ついに家族を置いて出家してしまいます。
出家してからも「こんなことをして意味があるんだろうか」と迷い、苦しみながらもいのちを振り絞って修行を重ねる姿は、神々しい「仏様」ではなくひたすらに真摯な一人の若い青年です。
手塚治虫

悟りを伝え歩いた生涯
悟りを開いて「ブッダ(目醒めた人)」を名乗ってからも、何度も悩み、救うことができなかった人々を思って自身の無力さに取り乱したり、悲しみに打ちひしがれ、それでもなんとか人々の苦しみを軽くすることはできないか、自身の悟りをいかにすれば伝えられるのか、シッダルタは考え続け、教え歩き続けます。

(ブッダの魅力を問われて)
ぼくには何よりも率直に言って
すごい哲学者だということです。
いわゆる仏教の教えを説いた
宗教的カリスマであるよりも
哲学者として偉大である。
その深い広大な思想は歴史を超え、
むしろ現代にこそ生かされなければならない、
じつは最も新しい思想だと思うのです。
ブッダを書いて、
ぼく自身いい勉強になりました。

1984年毎日新聞のインタビューより



そんな「ブッダ」からシッダルタが悟りを開き、ブッダとして覚醒する

作品の中でも印象的なシーンを大胆に配しました。


(世の不条理に絶望する男へ)

木や草や山や川がそこにあるように

人間もこの自然の中にあるからには

ちゃんと意味があって生きている

あらゆるものと…つなかがりを持って!

もし

おまえがいないならば何かが狂うだろう

おまえは大事な役目をしているのだ

(ブッダ 第3部 第13章 ヤタラの物語より)


悟り

手塚治虫

すべての生命は平等に素晴らしい
悟りの瞬間、シッダルタは植物・動物・人間、ありとあらゆるすべての生命が手をとり繋がっている様を目にします。
作品の根底に流れる手塚治虫の描く哲学。
医者であり、天文学や昆虫に親しみ、宇宙の果てから草の影まで多様な視点を持った氏の生命観。
人間中心の考え方への疑い、生きるということの喜び、生きるということの大切さ、すべての生命は平等に素晴らしいのだ、という賞賛に溢れています。

ぼくは、人間もほかの生物も、生命の存在ということについてはまったく平等だ、と言いたいだけなのである。
(『ガラスの地球を救え』より)



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